突然の統合失調症の発症を経験したOL時代

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統合失調症になったのは突然でした。

それまでも一部の記憶がすっぽり抜け落ちる解離性障害は経験していましたが、幻聴が聞こえるようになったのです。

突然の統合失調症の発病について

こんにちは。統合失調症発症歴30年で障害年金で暮らしているemimamaです。

私は統合失調症の初めての症状が出たとき、自分がおかしいとは思いませんでした。

最初はしゃべろうとすると咳が止まらなくなり、次に不眠が起こりました。

当時、会社は総合職への転身を希望して自己PRの企画書を提出する女性社員を募集し始めていました。

私は社内のペーパーレス化推進会議のメンバーに選ばれ、社内プログラムを組んでいる部署と協議をしていました。

その中で、営業部にプログラムを理解していない人が多すぎるせいでペーパーレス化を進めることが出来ず、またシステム部のほうも営業の仕事が多岐にわたり理解が浅いことでコミュニケーションがうまくとれていませんでした。

私はシステム部と営業部を結ぶ懸け橋になるべく総合職への転属の希望を出しました。

私の企画書は上層部に通り、希望通りシステム部に転属することが出来ました。

しかし、当時のプログラムはインターネットなどない時代ですので、専門知識が必要で長い期間をかけて、勉強する必要がありました。

そのプログラムの基礎を学ぶ過程で不眠症に陥り、昼夜問わずプログラムのことを考える時期が続きました。

そんな時、欠けていた記憶が急にフラッシュバックしてきたのです。

それはあたかも、いまこの場で起こっているような臨場感を持って頭の中によみがえってくるものでした。

そして、その場面を繰り返し思い出しているうち、幻聴が聞こえてくるようになりました。

もう何年も前のことなのに、そしてもうしばらく会っていない人たちなのになぜか頭の中に声が聞こえてきます。

まるで電話をしてるような感覚でした。

そしてその幻聴は相手との会話になってゆき、仕事の相談をしたり恋愛関係になったりするような妄想へと変化していきました。

楽しい妄想の時は、うっとりするような恍惚状態となりました。

それが現実ではないと感じると急に恐ろしい場面が現れて恐怖にかられるという体験の繰り返しです。

精神がジェットコースターに乗ったように急速に変化するのです。

そして、幻想の中で襲われるという感覚に陥った時、母に妄言を吐くようになりました。

医師の診断と統合失調症の陽性期

母は心配して私を近くの大学病院の精神科に連れて行きました。

私はその精神科で、お医者さんではなく幻想の中の恋人に会えると思い込んでいました。

そして診察になった時、お医者さんの声だけでなく幻聴が聞こえていて「だまされるな」とか「これは罠だ」とか頭の中に響いていました。

お医者さんとはまともな会話が出来ず、付き添った母が私の奇妙な言動や様子について説明していました。

私は幻想の中の恋人が診察室の奥に隠れていて私を見ていると感じていました。

この一連の出来事も後にフラッシュバックしてくるのですが、思い出すたびに解釈が変わっていて楽しい思い出になったり、恐怖体験になったりしました。

私の様子を診察していた医師は、尿検査をするように手配しました。

〇薬を使っているかの検査です。

母はそんなことはあり得ないと言いましたが、「気づかぬうちに飲まされている可能性もあるので」ということでした。

結果はもちろん陰性です。

しかし、そうなると統合失調症の可能性が出てきました。

私が会話にならないので、その日は薬だけ処方されて一度帰宅することになりました。

そんな状態でも私は自分がおかしくなったとは思えず、世の中が狂い始めたと思いました。

テレビを見ても、番組の中で自分のことが放送されていると感じてしまったり、相手の心の声が聞こえてくると感じるようになりました。

会社での混乱について

そのような状態になっても出社を続けていました。

仕事にはもうならず、頭の中の幻聴と会話をしている状態です。

同僚たちも私とどう接してよいのかわからず、遠巻きにしています。

私はシステム部の仕事で調子を狂わせたと感じ、転部させてほしいと上司に頼み込みました。

私の頭の中で何が起こっているのか誰にも分らなかったので、取り合えず希望通りに転部させてもらえました。

ですが、転部先でも仕事にならず休職をすることになりました。

一か月の間、投薬を続けながら休みましたが、薬で幻聴は治まったものの不眠は続きいくら薬を飲んでも眠ることはできませんでした。

脳の興奮状態は続きますが、薬のせいで起き上がることは出来ず金縛りのような状況が続きました。

そしてしばらくして、会社に戻れば調子が戻るのではないかと感じ仕事に復帰しました。

しかし電車に乗っても耐えられず帰宅してしまったり、会社までたどり着けても仕事にならずついに辞職勧告を受けました。

こうして10年にわたるOL生活を終えることになったのです。

次回予告について

いかがだったでしょうか。

統合失調症の陽性期の様子が少しわかっていただけましたでしょうか。

次回は、回復までの長い道のりを経て寛解状態になる退職後の私の様子についてお話ししたいと思います。

このような状態が起こるのが一時的であれば過労による自律神経失調症と診断されることもあります。

しかし私の場合はこの後一時的に回復し社会復帰するものの、また結婚を境に再発してしまいました。

このあたりのお話も追々していきたいと思います。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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