退職後もまだまだ続く統合失調症の陽性期

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統合失調症の本格的な症状に見舞われ、混乱を極めていた私ですが、会社を退職後もしばらくは幻聴と妄想に悩まされていました。

仕事をやめて傷病手当金をもらいながら闘病生活に入りました。

こんにちは。統合失調症発症歴30年で障害年金生活を送っているemimamaです。

統合失調症の患者さんのご家族ができることについて

突然の発病でご家族の方はかなり心配されると思います。

私のように幻聴や妄想を伴う陽性期から始まるとは限りませんが、とにかく認知症の患者さんと同じように、相手の話を遮らないようにして心が静まるのを待ちましょう。

どこかへ行ってしまいそうなときにはお医者さんに連絡を取って薬をもらってください。

カウンセリングは妄想が広がることがあるので、陽性期にはお勧めではありませんが知識と経験のある地域の保健婦さんなどが頼りになるかもしれません。

予約を取るのが難しい場合もあるので、その時はやはりお医者さんに急患で診てもらうのがいいと思います。

本人に病識がない場合は通院が難しいこともあります。

病気であるという意識がないこと自体が症状の一つなので、とにかく脳を休めることが一番です。

私の場合には睡眠薬のサイレースが一番効きました。

眠ることが出来るだけで症状が少しずつ治まってきますので、代理でお薬をもらう場合には眠れているかどうかをきちんと伝えてみてください。

妄想や幻聴のような症状の方が気になると思いますが、脳が興奮して起こっていることなので、とにかく脳を休めることを一番に考えてください。

患者さんの発言について解釈やアドバイスはしないほうがいいです。

本人の興奮が収まるまで、そっと見守るようにしましょう。

妄言を吐かれると感情的になってしまうと思いますが、ご家族自身がカウンセリングを受けるなどして乗り切るしかないと思います。

くれぐれも助けられないご自分を責めないでくださいね。

治まらない統合失調症の陽性期について

前回は統合失調症を発症して仕事が出来なくなり、辞職勧告を受けるまでをお送りしました。

その後も薬では思うように症状は治まらず、不眠と幻聴は続きました。

幻聴に悩まされ、人の心の声が聴こえるという錯覚に陥りました。

誰かの顔を見ているだけで、頭の中に声が響いてきます。

それは誉め言葉だったり、脅迫だったりその時によって違います。

そして、その声の主(赤の他人です)に翻弄されて感情のコントロールが出来なくなりました。

またテレビ番組に自分の事が報道されていると感じ、テレビも見れなくなりました。

テレビの電波が頭の中と繋がっているような感じがしてきて、始終落ち着かなくなりました。

たった一人で部屋にいても大きな劇場の舞台に上がっているような緊張感があります。

病院でもらった薬も効かないのでどんどん飲んでしまい、酔っぱらったような状態になりました。

催眠剤としてデパスという薬を処方されたのですが、6錠飲んでも一つも眠れません。

しかし、起き上がることは出来なくなるので、まるで金縛りにあっているようでした。

私は当初、精神科の待合室の雰囲気が嫌で、母に代理で薬をもらって貰うようにしていました。

ですから、お医者さんは母の話を聞くだけなので、私がどのように混乱しているかわからなかったと思います。

発病の原因を求めて

発作のような幻聴と妄想が少しずつ落ち着き始めると、今度はなぜこのような病気になったのかということが知りたくて原因を追究し始めました。

その過程で母のことを責めたり、会社の仕事のせいにしたりしました。

その際には、母は私の看病に一生懸命で病気になった原因をいろいろ分析してくれました。

しかし私は母の育て方などを非難し、最終的には母に対して暴言を吐いていました。

母は元々こらえ性のない人でしたから、昔のことで責められて感情的になり、けんかになりました。

家の中は罵声が飛び交い、私は壁に頭を打ち付けて苦しみました。

このまま入院したほうが楽かもしれないと思いましたが、母が世間体を気にしてそれには賛成しませんでした。

少しずつですが幻聴と妄想が治まり始め、現実的な過去に関する親子喧嘩へと変化していきました。

この頃、暴力的にならなくて本当に良かったと思います。

もし、世間や親を恨んでやけを起こしていたら、犯罪者になっていたかもしれません。

統合失調症の症状②について

私を蝕んでいた病気が少しずつ鳴りを潜めてきて、今度は何も感じない無口な人間に変わっていきました

言葉を発することが出来ず、食べ物を飲み込むのも苦労する嚥下(えんげ)障害を起こし吐いてしまいます。

性格が変わったように大人しくなり、母にも歯向かわなくなりました。

その代わり、自分の身の回りのことが出来なくなってしまったのです。

今思えばこの時は幼児退行していたのだと思います。

頭の中が空っぽになり、考えが抜き取られるような感覚がありました。

これも統合失調症の症状の一つです。

母は凶暴化するよりは、この方が良かったようでようやく少し落ち着きました。

私も混乱する頭で母とやり合うことに疲れて、自分を守るためにこのような症状になったのだと思います。

なぜこんなに詳しく「狂っていた自分」を覚えているかというと、後にこれらの場面が繰り返しフラッシュバックしたからです。

このような混乱状態から抜け出せずに一生廃人になってしまうこともあるらしいです。

リスパダールという薬との出会いについて

最初にもらった薬は殆ど効きませんでしたが、第二世代の薬「リスパダール」が出てきて状況ががらりと変わりました。

私を正気に戻してくれた薬です。

お医者さんも、劇的に症状が改善して驚いていたようで「医学論文に書いてよいか」と聞いてきました。

私は自分の体験が臨床の役に立つならと協力することになりました。

以上が統合失調症の陽性期のお話です。

この激しい症状はその後出ていませんが、幻聴や妄想はその後も折に触れて出てきます。

しかし、聞き手が母から主人に変わったことで、以前のような激しい症状には至りませんでした。

次回予告について

次回は、薬の副作用とうつ状態になる統合失調症の陰性期をお届けしようと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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